有限会社京都平安文化財 久津川車塚古墳 現地説明会 

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現地説明会

久津川車塚2015年度発掘調査現地説明会

開催日時 すでに終了しております
2015年9月19日 10:00~16:00
所 在 京都府城陽市平川 【map】
こちらから現地説明会の資料をダウンロードできます(1.54MB)(城陽市教育委員会提供)→PDFダウンロード

今回の発掘調査について

 久津川車塚古墳は5世紀前半に築かれた古墳で、墳丘長は約180mにもおよぶ、山城地域最大の前方後円墳です。19世紀末に未盗掘の長持形石棺が出土したことでも有名で、古墳時代中期を代表する古墳として国の史跡にも指定されています。
 城陽市教育委員会は、今後の史跡整備にむけて墳丘の規模や構造を明確にするため、2014年度から発掘調査を開始し、今回の調査で西造り出しの全面的な調査による構造の解明に挑みました。
 この西造り出しは、調査の結果、これまで全面調査されている造り出しの中では最大の規模を誇ることがわかりました。そして、その上面にはかなり大型の家形埴輪を立てていたことが確認でき、造り出し北半からは供献用の土器や食物形土製品なども出土しました。また、この西造り出し南半では長方形の掘り込みを検出し、レーダー探査の結果、それが埋葬施設と考えられることがわかりました。くびれ部に取り付く造り出しで埋葬施設が確認された事例は今回が初めてとなります。
 今回、造り出しの全面的な調査をおこなったことで、南半の「埋葬施設」とそれに対して北半の土器を使用した「儀礼の場」という、計画的な空間の使い分けを読み取ることができ、重要な成果を得ることができました。この成果は、今後古墳の造り出しを研究する上で大変重要な事例となっていくことでしょう。
 今回の調査においては、弊社も測量等の作業を請け負い、現地説明会においてもお手伝いに加わらせていただきました。重要な発掘調査に関わることができ、とても貴重な経験をすることができました。

(参考:城陽市教育委員会「久津川車塚古墳2015年度発掘調査の概要」現地説明会資料)
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    造り出し
    (北西より)

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    造り出し南斜面
    (南より)

現地説明会の様子

 現地説明会の準備期間中は天気が崩れることが多く、肌寒い日も続き、調査の進行や説明会の準備になかなか恵まれませんでしたが、当日は打って変わって晴れ晴れとした汗ばむような陽気でした。
 重要な発見ながら、あまり大きく報道されなかったこともあり、殺到して混乱するようなことにはなりませんでしたが、考古ファンの方々は口コミで広がった情報を聞きつけて遠方からも足を運んできてくださいました。ご近所の方も通りすがりに興味津津、現場を覗かれておられたので、声をかけますと見学していってくださる方々がたくさんおられました。
 担当調査員からパネル前で古墳や調査の概要の説明を受け、周辺の遺跡や古墳の話を聞くと、後で行ってみよう!という人も多く、受付の城陽市遺跡マップはどんどん減っていきました。現地説明会がてら遺跡散策ができる立地というのもいい環境ですね。パネル説明の後、調査区の方へ進み、全面発掘された造り出しを目にすると、感嘆の声を上げる方も少なからず。斜面に石が葺かれた大きな造り出し、その上面には埴輪がずらっと並んでおり、とっても見応えのある調査区の光景でした。調査区でも遺物の展示ブースでも、調査に参加している学生さんたちが熱心に詳しく説明をしていて、訪れた方々は気兼ねなく話しかけたり質問したりできる状況にとても満足しておられたように感じました。
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