有限会社京都平安文化財 伏見城跡・桃陵遺跡2015年度 近隣住民説明会 

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現地説明会

伏見城跡・桃陵遺跡(京町1丁目)2015年度発掘調査 近隣住民説明会

開催日時 すでに終了しております
2015年12月5日 11:00~12:00
所 在 京都市伏見区京町1-245 【map】
こちらから現地説明会の資料をダウンロードできます(1.77MB)→PDFダウンロード

今回の発掘調査について

 今回の調査地は、伏見城跡と桃陵遺跡の遺跡範囲に位置しています。伏見城は豊臣秀吉が天正20年(1592年)に築城を始めた城郭で、桃山丘陵の南端部に築かれました。伏見城の外堀の範囲内には、城の西側に城下町が広がっており、当時は大変賑わっていたことが想像できます。調査地は、城下町の南北主要道路である京町通沿いに位置し、古い絵図では町家の街区として描かれています。なお、過去の隣接地の発掘調査では、伏見城期の京町通の路面や側溝と考えられる遺構が検出されています。

 今回の調査では、後述する京町通りに面する宅地を検出したほか、調査地の北側では東西方向の立石通に面する宅地の存在が確認でき、その南北の2つの宅地は北を高く南を低くした高低差を有していたことがわかりました。この僅かな高低差は伏見丘陵の自然地形に由来したものと考えられます。また、調査区内の江戸時代の土坑からは伏見城期の金箔瓦や明代の銅銭などの遺物が出土しています。
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    調査地全景(南東から)

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    出土金箔瓦

image 調査第1面

 調査区の南端部では、現代の土層直下から東西方向の石列を検出しました。石列は面を北に向けていることから、町家建物の北面の土台縁石とみられますが、東寄りと西寄りでわずかにラインを違えており、これは主屋と離れ屋の建物の違いによるものと推測でき、この遺構は京町通りに面して間口を開く町家の基礎部分であると考えられます。
image 調査第2面

 第1面で検出した石列を取り外したところ、その下から礎石の列がでてきました。第1面の石列とほぼ同じラインに並ぶことから、石列の建物の前身に礎石を使用した建物が建っていたことが推測できます。

現地説明会の様子

 説明会の前の週あたりから急に冷え込んで、調査もなかなか厳しい気温の中でおこなってまいりましが、なんとか無事に近隣説明会を開催することができました。
 当日も冷え込みましたがお天気には恵まれ、事前に配布した近隣住民への説明会のお知らせを頼りに、寒い中も足を運んでくださる方が多数いらっしゃいました。今回の開発計画機関の株式会社ラプラス・システムのスタッフさんも、調査中からかなり関心を寄せてくださいまして、たくさんのスタッフさんが説明会にご参加くださいました。近隣にお住まいの方々、近隣にお勤めの方々が、所縁の地の歴史に興味を抱いてくださることは大変ありがたいことです。ご来場の皆さまは熱心に調査員の説明に耳を傾けて、展示していた出土遺物にも関心を示しておられました。特にキラキラ光る金箔瓦は注目度が高かったです。関係者および近隣住民に限った説明会でしたので騒然とすることはなく、気軽に質問や雑談ができるような、アットホームな雰囲気の説明会となりました。

 調査地が小規模で、大々的な開催となると近隣への配慮が行き届かなくなるため、今回は関係者および近隣住民のみに事前告知し、現地説明会を開催させていただきました。そのため、一般の方へのご報告が事後になってしまい申し訳ございません。本ページのトップより当日配布した資料がダウンロードできますので、今回はそちらでご容赦くださいませ。
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    関係者説明会の様子  

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    近隣住民説明会の様子  

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    遺物展示ブース  

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