有限会社京都平安文化財 発掘調査 現地説明会 

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現地説明会

平安京左京八条二坊九町 発掘調査近隣現地説明会

開催日時 すでに終了しております
2018年9月24日 11:00~12:00
所 在 京都市下京区油小路通下魚ノ棚下る油小路284他 【map】
こちらから現地説明会の資料をダウンロードできます(1.09MB)→PDFダウンロード

今回の発掘調査について

 今回の調査地は、平安時代の地点表示では「平安京左京八条二坊九町」にあたります。この地は平安京の「東市」に隣接する場所で、平安時代から鎌倉時代にかけて京内の商工業の中心であった「七条町(しちじょうまち)」にも近いところです。この調査では、平安時代から江戸時代にいたる多くの遺構・遺物が検出されました。検出した遺構は、井戸・溝・暗渠・柱穴・土坑・墓などです。とくに井戸は、平安~鎌倉時代、室町時代、江戸時代、それに明治から現代にわたる各時代のものがあります。
 平安時代の遺物では、緑色の釉薬を掛けた「緑釉陶器(りょくゆうとうき)」や中国から輸入された青磁・白磁、それに瓦類などがあります。鎌倉時代の遺物では、鋳型など鋳造関係のものも出土しました。鋳型は鏡や刀剣の飾金具を作ったもののあることが注目されます。室町時代の遺物には、生活用品である多量の土器・陶磁器類があります。江戸時代の遺物では、陶磁器のほか江戸時代前期の瓦類の多いことが目立ちます。
 今回の調査地あたりは文献的記録があまり無いため、具体的な様相がよくわからない地点でしたが、調査の結果、この地では平安時代から現代までほとんど切れ目無く人々の活動があったことが判明しました。今後この調査の整理・検討を通して、平安京・京都の歴史的変遷の一端を明らかにしたいと思っています。
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    調査第1面(西から)

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    遺構71遺物出土状況

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    遺構101遺物出土状況

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    鋳造関係の出土遺物

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    平安時代の遺物

現地説明会の様子

 今月は天候不良の日が多く、調査の進行も思うようにいきませんでしたが、調査員作業員のがんばりでなんとか近隣住民へ調査の報告をさせていただく現地説明会の開催できることになりました。
 説明会当日はお天気にも恵まれ、短時間の公開にも関わらず60名ほどのご来場をいただきました。そのうち半数ほどは近隣にお住まいの方々で、馴染みある土地の歴史に触れようと熱心に説明に耳を傾けておられました。また、当地が市街地・観光地界隈であることから、通りすがりの観光客の方々も「何をしてるのか?」と現場を覗いておられたので、興味がございましたら中へどうぞとお招きいたしました。京都へ旅行に来たついでに地中の京都(平安京)を見られるという貴重な体験を楽しんでくださったご来場者もおられました。
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